「日本の年金制度は、大丈夫なのか?」という不安は、全ての世代の人にあります。特に、若い世代は、その気持ちが強いと思います。
そのような世間の不安を増幅させるような情報が、金融庁から発表されました。「老後は、公的年金に加えて2,000万円が必要」という発表です。その後、発表の内容は否定されましたが、「やっぱり・・・」と思われた方も多かったのではと思います。
iDeCoは、そのような不安を持つ世代、老後への資産形成に関心を持つ人々の間で注目され、運用を開始した人が急増しています。2019年5月には、加入者数は、なんと125万人を突破しました。
気にはしていても、一歩を踏み出すことが出来ていないあなたに、iDeCoの基本及び活用法をわかりやすくご説明いたします。
〇 iDeCoの基本をおさらい ~3つのメリット~
iDeCoは、平成13年に施行された確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。、平成29、30年に改正が行われ、iDeCoの活用の幅が広がりました。
iDeCoは、加入や掛け金の拠出、運用をあなた自身で判断し、行わなわなければなりません。しかし他に様々な資産形成の方法がある中で、iDeCoが選ばれるのは、iDeCoの大きなメリットがあるからです。
1.毎月の掛け金が全額所得控除の対象!
あなたが、iDeCoに拠出した掛け金は、全額所得控除されます。これは大変大きなメリットで、かつ所得が大きい人ほどメリットが大きくなります。
例えば、毎月の掛け金が1万円の場合、年間12万円が所得控除の対象となり、年末調整や確定申告で還付されます。しかし、掛け金には上限があります。
2.運用益も非課税、再投資へ!
一般的に、投資信託や株式投資などの金融商品を運用すれば、運用益に源泉分離課税20.314%が課税されます。しかし「iDeCo」は、運用益は非課税で、再投資に回されます。
例えば、運用益が1万円の場合、iDeCo以外の金融商品は、源泉分離課税され、実質運用益は、7968円になります。また、iDeCoの場合は1万円の運用益をそのまま再投資に回すことができます。ここでも、iDeCoのお得感が際立っています。
3.60歳以降に受け取る際にも、税制優遇が!
他の金融商品と違い、iDeCoは、受取り時にも税制優遇が受け取れます。iDeCoは、一時金、もしくは年金として受け取れますが、一時金は、退職所得控除、年金は、公的年金等控除の対象となります。
しかし、以上の3点のメリットの他に、60歳までは引き出せない、状況次第では元本割れするリスクもあるというデメリットがあります。
〇 3つのメリットを押さえたうえで、iDeCoをどう活用する?
1.金融機関の選択は慎重に!
iDeCoを扱う金融機関は、数多くあります。どの金融機関を選んでも、基本的な税制上の優遇には変わりませんが、手数料などに差があります。
60歳まで引き出せませんから、長いお付き合いになります。信頼できて、使い勝手のいいところを選ぶことが大切です。もちろん、途中で、金融機関の変更はできますが、手続きや、場合によっては元本割れのリスクもありますので、なるべく変えずに済ませたいですね。
ここでお勧めしたいのは、ネット証券です。手数料を低く抑えることができ、ほぼ全てがネットで完結します。忙しい現役世代には、うれしいことですね。更に、投資初心者のための無料セミナーやサポート体制がしっかりしていることも頼もしいです。
2.商品選びは慎重に!
iDeCoの運用先としては、投資信託、保険、定期預金の中から選びます。手数料や商品などを考え併せて決めましょう。
投資信託にも、さまざまな種類が用意されています。また、各金融機関によって取り扱い投資信託の種類が異なりますので、あなたのライフステージ、ニーズ、投資に関する意識などに合わせて、適切なものを選ぶといいでしょう。
ネット証券の中には、初心者向けの無料WEBセミナーを行っているところや、ロボアドバイザーがあなたの銘柄選びをサポートをしてくれるところなど、それぞれ工夫を凝らしていますから、大いに利用するといいでしょう。
3.毎月の掛け金を考えよう!
iDeCoでは、毎月の掛け金が全額所得控除されるという税制上の優遇措置がありましたが、掛け金には上限がありいくらでもアップすることはできません。企業年金のない多くの会社員は、上限が月23,000円、自営業者は月68,000円です。
老後のための資産形成とは言え、60歳までかけなければならないことを考えて、無理のない金額にしましょう。無理をすると60歳までかけられないということにもなりかねません。まずは、無理のない金額から始めてみるといいでしょう。
最後に
iDeCoの基本、及び活用法についてまとめました。iDeCoに関心を持ち、このサイトにいらっしゃったあなたのために、その他の詳細情報も取り上げています。併せてご覧いただいたうえ、是非、あなたの老後の資産形成を始めて下さい。あなたの資産形成の一助になれば、幸いです。